傀儡女 クグツメ (遊び女) [コラム]
女帥
おいちゃん、この前、『吉原御免状』読みましたよ。
軍帥
面白いだろう。
女帥
面白かった。初めて裏柳生というのを知りましたが、現実にも活動していたのですか?
軍帥
そりゃあったさ。柳生但馬がいたからな。柳生但馬守宗矩は二代将軍秀忠の下に恐らく世界最初の秘密警察を作った男だ。
女帥
徳川秀忠は、将軍家の力を強大に皇室の力を微衰にしようとして、柳生忍者たち(秘密警察ですか)を使って、御水尾天皇の御子たちが世に出ないようにしたという話、逆に天皇側は八瀬童子ですか、山の民に守ってもらっていたということですが。皇室にこのようなつながりがあったとは。
軍帥
そうねえ。
日本には常民と傀儡子(クグツ)の民がいた。
傀儡子の首領を丹波乱裁(アヤタチ)といい、彼は裏天皇と呼ばれていた。
常民を支配するのが天皇家でなくなり、武家になると傀儡子は天皇を裏から支えた。それが最も顕著だったのが後水尾天皇の時のようだ。八瀬童子は天皇の籠かき、実は天皇に仕える秘密忍者集団だった。
女帥
ふうーん。 丹波乱裁さまが裏天皇と呼ばれていたのは、天皇家、表の天皇家に対してではないのですね。
軍帥
いや、天皇が支配者の時代は天皇に対する裏天皇だ。
女帥
わかりました。
天皇家が常民を支配しなくなった、武家が支配するようになった、という意味といいますか意義は、今脳の中にすごいものを感じましたが、何だったのかしら。
層があり
(※女帥、上下に黒く分断されて間に空白のあるイラストを描かれて)
ここの部分が空白なのです。
軍帥
天皇が支配していようと武家が支配していようと、日本を本当に動かしていたのはその空白即ち真空の力で、この真空の力を丹波乱裁率いる傀儡子軍団が代表してきた、ということじゃないかね。
女帥
そうですね。
確かに天皇と武家とでどちらの体制がどう、とは言えないように両方があって歴史が動いてきたのだと思いますから。両方がある中に白いところ空白と感じたところ、ここのプレッシャーが強いんです。正体は真空だったのですか!
真空といえば、前回真空軸について少し触れたのでした。このプレッシャーの中から、このプレッシャーを利用? して、次元を突き貫けるに違いない。
今 ひらめいたのですが、「遊び女」が反世界に自分を運んでくれる、というのも同じことなのではないでしょうか。
軍帥
同じだ。
男にとって女性は真空なのだ。だから男は理屈っぽい、中身がゴチャゴチャ詰まった常民的な女性は本質的に好まない。
嘗ての、吉原を初めとする遊郭は、真空の傀儡女(クグツメ)で埋まった桃源郷だった。
桃源郷の元は、三世紀ごろ中国の陶淵明が書いた『桃花源記』にあるが、その中で或る漁師が森の中の真空の道
――トトロの森にあるような木々で丸く覆われた道だ――
に誘いこまれ、そこを辿るうちにポッカリ開いた別天地に出た、という話から出ている。
遊び女とは男にとって、真空の丸い道だった。
女帥
あら、本当に真空の道が……。
おいちゃん、この前、『吉原御免状』読みましたよ。
軍帥
面白いだろう。
女帥
面白かった。初めて裏柳生というのを知りましたが、現実にも活動していたのですか?
軍帥
そりゃあったさ。柳生但馬がいたからな。柳生但馬守宗矩は二代将軍秀忠の下に恐らく世界最初の秘密警察を作った男だ。
女帥
徳川秀忠は、将軍家の力を強大に皇室の力を微衰にしようとして、柳生忍者たち(秘密警察ですか)を使って、御水尾天皇の御子たちが世に出ないようにしたという話、逆に天皇側は八瀬童子ですか、山の民に守ってもらっていたということですが。皇室にこのようなつながりがあったとは。
軍帥
そうねえ。
日本には常民と傀儡子(クグツ)の民がいた。
傀儡子の首領を丹波乱裁(アヤタチ)といい、彼は裏天皇と呼ばれていた。
常民を支配するのが天皇家でなくなり、武家になると傀儡子は天皇を裏から支えた。それが最も顕著だったのが後水尾天皇の時のようだ。八瀬童子は天皇の籠かき、実は天皇に仕える秘密忍者集団だった。
女帥
ふうーん。 丹波乱裁さまが裏天皇と呼ばれていたのは、天皇家、表の天皇家に対してではないのですね。
軍帥
いや、天皇が支配者の時代は天皇に対する裏天皇だ。
女帥
わかりました。
天皇家が常民を支配しなくなった、武家が支配するようになった、という意味といいますか意義は、今脳の中にすごいものを感じましたが、何だったのかしら。
層があり
(※女帥、上下に黒く分断されて間に空白のあるイラストを描かれて)
ここの部分が空白なのです。
軍帥
天皇が支配していようと武家が支配していようと、日本を本当に動かしていたのはその空白即ち真空の力で、この真空の力を丹波乱裁率いる傀儡子軍団が代表してきた、ということじゃないかね。
女帥
そうですね。
確かに天皇と武家とでどちらの体制がどう、とは言えないように両方があって歴史が動いてきたのだと思いますから。両方がある中に白いところ空白と感じたところ、ここのプレッシャーが強いんです。正体は真空だったのですか!
真空といえば、前回真空軸について少し触れたのでした。このプレッシャーの中から、このプレッシャーを利用? して、次元を突き貫けるに違いない。
今 ひらめいたのですが、「遊び女」が反世界に自分を運んでくれる、というのも同じことなのではないでしょうか。
軍帥
同じだ。
男にとって女性は真空なのだ。だから男は理屈っぽい、中身がゴチャゴチャ詰まった常民的な女性は本質的に好まない。
嘗ての、吉原を初めとする遊郭は、真空の傀儡女(クグツメ)で埋まった桃源郷だった。
桃源郷の元は、三世紀ごろ中国の陶淵明が書いた『桃花源記』にあるが、その中で或る漁師が森の中の真空の道
――トトロの森にあるような木々で丸く覆われた道だ――
に誘いこまれ、そこを辿るうちにポッカリ開いた別天地に出た、という話から出ている。
遊び女とは男にとって、真空の丸い道だった。
女帥
あら、本当に真空の道が……。
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