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ココ・シャネルのホロスコープ [コラム]

1883年8月19日 フランスのソーミュール

<四元素>
火=2 地=3 風=3 水=2
バランスがとれています。

<活動区分>
活動宮=1 不動宮=3 柔軟宮=6
柔軟宮が多い。環境や時代、周囲の気持ちをくみ取って、対応を柔軟に変化させることが楽にできる。
服飾など流行を作る仕事にはある意味有利かも知れない。

<惑星男女比>
男=5 女=5

<ホロスコープの特徴>
感情や癖、私的な顔、子供時代からの個性も表す月は、魚座の初めのほうにあります。
魚座の月は、感性の鋭さを示します。感受性が強く、いろいろなものを繊細な感性で吸収します。
人の気持ちなどにもとても敏感です。魚座の月は芸術的な感性が発達しやすく、また直感力の鋭い人も多いです。
そしてこの月は、双子座にある土星とスクエアの配置をとっているので、幼少期は特に、気分的に不安定な状態で過ごしていた可能性が高いです。
繊細な感じやすい魚座の月に対して、周囲や大人からの圧迫を感じやすいのです。
シャネルは子供時代に母親を亡くしました。
そして、父や姉妹、兄弟と離ればなれになり、叔母のところに預けられました。
幼くして親を亡くしたり、親と離れて暮らしていたり、厳しい親に育てられるなど何かしら親との関係に問題のある人は、たいてい月と土星のハードアスペクトをもっています。
シャネルもまたその例にもれません。幼少時は内向的でやや暗いイメージですが、月と土星のスクエアは長じては忍耐に強い人を作る可能性もまたあります。
生まれた時間によっては、冥王星ともスクエアになるので、ちょっとのことではへこたれない意志の強い女性になります。

知性の水星は乙女座でそばに天王星があり、土星とはスクエアです。
乙女座の水星は実用的な卓越した技術力を示しています。服や帽子の制作はデザインだけでなく、正確な計算や技術力を要します。
それが、奇抜な発想の天王星と、確実さを示す土星と関わっていることは、仕事の上ではとても有利。
個性と職人のイメージがあります。実際シャネルには鋭いビジネス感覚がありました。
この乙女座の水星は合理性、機能性を追求したシャネルの服の主張にまさに示されていると思います。

趣味や感性、恋愛や金銭を示す金星は獅子座の真ん中あたりにあります。
ドラマチックで華やかな印象。基本的に華やかなものを好み、人から注目されたいというのが獅子座金星の特徴です。
獅子座はとてもストレートな星座ですが、この金星のおもしろいところは、単純に目立ちたいというのとは違って、反対星座である水瓶座の性質が入ってきている獅子座です。
そのため、獅子座特有の一人芝居になることなく、他人の目を意識して、客観的に見られるもうひとつの目を持っているので、演出力に客観性が加わるため、自己表現や美の見せ方に関して洗練されてきます。
金星は芸術表現に関係するため、シャネルでは当然、服のデザインなどにその特徴が出てくるでしょう。
シャネルは、その当時、新しい素材を使ったり、それまでのスタイルとはまったく違ったものを作りだしました。獅子座は創造の「火」の星座です。直感的に無から有を作り出すのが得意なのは、火の星座です。
その当時、革新的で個性的でそしてシンプルなのは、獅子座真ん中の度数で水瓶座がミックスされているため。
女性的なスタイルだけでなく、当時としては、それまでなかった少年っぽさの入ったマニッシュなスタイルやスポーティスタイルを作ったのも、そのためでしょうか。これはあきらかに水瓶座の影響のある獅子座ですね。
この金星が獅子座でなく、蟹座や乙女座など女性星座であったら、フェミニンなイメージのものだけだったかも知れませんし、伝統的なスタイルを打ち壊すことができたかどうかはやや疑問です。
またこの金星は、牡牛座の海王星とスクエアであるため、芸術的感性が既成概念を突破した平凡なものでないことを暗示。

金星は恋愛も示しますが、獅子座の金星と海王星のスクエアはシャネルの恋愛遍歴をとても物語っているように思います。
ハウスがわからないのは残念ですが、金星と海王星のスクエアは恋愛に過剰な期待をする配置なので、恋愛を多くする人も多いです。
スクエアであるため、別れもまた多い可能性があり、一生にわたって恋愛をし続ける人もまた多いかもしれません。
シャネルはまさにそうでした。
恋愛が多く、しかし結婚が1度もなかったのは、月も太陽もハードアスペクトだったからかも知れませんが・・。
一生が恋愛というくらい、20歳から何人もの恋人の変遷があり、60歳を過ぎても恋人がいました。
いろいろな事情で、相手は数年ごとに変わるのですが、恋人がまったく途切れないとは、驚きです。
恋人が次々と変わるのは芸術家にはありがちですが、この獅子座の金星と牡牛座の海王星のスクエアはまさにその一端を示していると思います。
相手が変わるとはいえ、獅子座ですし、固定宮なので、その1回1回の恋愛は情熱的で印象の強いものだったと思います。
恋愛遍歴の多さには、この金星だけでなく、変幻自在な魚座の月の性質の関与もかなりあったと思います。

恋愛では、火星の状態も重要です。
火星は双子座で天王星とスクエア。
関わる男性や恋人は、個性的な人が好みでしょう。
双子座であったために、複数同時に付き合うことも自然にできますし、また行動力としては、活発になりやすく、変化も楽しむことになります。
長く一人の人に固定ということにはなりにくいです。
金星だけでなく、この火星の状態からもシャネルの恋愛が多いというイメージが出ています。

金銭の意味では、浪費は激しくなるイメージです。入るのも多いですが、出ていく額もまたダイナミック。
いづれにしても、華やかさで、人の注目を浴びる・・そういうイメージが多くあります。
実際、シャネルはお金を使うのが大好きでした。むしろ貯めるということを嫌っていたようです。
それを示すシャネルの言葉があります。
「富は蓄積ではない。全く反対である。あたしたちを解放するためにあるものなのだ。」
「夢のような大金をあたしは浪費してきた。・・・ものを買うのは大好き。
ただ買ったあとで、所有し、執着するのは醜い。」
使うのが大好きというのは、まさに獅子座の金星です。牡牛座の海王星とスクエアになっていることから、その額が更にダイナミックなものとなる。まさに豪奢な浪費です。
シャネルは少女時代、貧乏だったことから、幼いうちから、お金がなければ人生は自分の自由にならないということを嫌になるほど痛感していました。
そのハングリーな精神がお金を稼ぐことへの原動力と執着を生み出したのかもしれません。
たくさん働いてたくさん稼いでたくさん使うというパターン。
浪費(獅子座の金星)の源泉パワーはお金と執着(牡牛座の海王星)から働きかけられたものでしょう。

さて、伝記としてその人物の一生を振り返った場合、長期的にその人の人生の基盤をなすのは、当然ながら太陽が示します。
月は性格をよく示しますし、金星や水星の性質ははたからみて比較的目につきやすい部分です。
シャネルの一生をトータルとして見た場合、そのベースは何か?
それはやはり太陽が象徴していると思います。
獅子座の後半度数にある太陽は、牡牛座の海王星とスクエア、双子座の冥王星ともスクエアです。
名を残す有名人にハードアスペクトが多いのは定番ですが、シャネルもその例にもれず。
困難も多いですが、ドラマチックな出来事に見まわれやすいからです。
獅子座は、自己中心的、感動することに価値を置く、遊びを楽しむ、自己演出、創造力を発揮していると生き生きしてくるなどの特徴があります。
火の星座であるため、現状維持に満足することなく、常に、自分を高揚させたり、向上させていきたい気持ちが強く、未知のものにチャレンジしていきたい冒険心が強いのです。
度数が獅子座後半にあるため、獅子座の自己表現をしたいという性質は総合的な威力をもって強まっています。後半の度数は応用力も持ち合わせているので、社会性という意味でも力が強くなる可能性が高いです。
海王星、冥王星とスクエア(90度)であるために、シャネルの人生は夢をずっと追い求める人生になります。
自己実現のために、常に夢や目標をもって進む、そんな姿。
海王星ということで、ロマンチックなもの、芸術や美しいものに対しての夢。
冥王星は決してあきらめないしつこさと底力を与えています。
太陽-冥王星スクエアでは、人生の間には何度か、すっかり変わってしまうような大きな異変や、人や環境からのバッシングを受けたりといったこともあるわけで、実際、シャネルはそうでした。

シャネルは太陽も月も、冥王星など影響力の強い惑星の影響を受けているため、逆境に強くなる運命が与えられています。
ハードアスペクトが多いと、困難に負けてしまう場合もありますが、シャネルは困難に勝って、どんどん強くなった人かもしれません。
シャネルは獅子座の創造性と自己中心的な活力を最大限に生かした人だと思います。
太陽-獅子座は、人生を推進していくダイナミックさを与え、月が魚座(繊細で創造力豊かな芸術性)、水星が乙女座(服作りの技術力と実業家としての現実性)という、感性と実務性の裏打ちがあったため、ファッションという方向で個性を生かせたのかも知れません。
獅子座の火の性質と魚座の月の性質はどちらも直感力によって動いていくイメージ。
実際、おもしろいのはシャネルはもともとファッションデザイナーになろうと目指してなったのではないという点です。
気分と情熱のおもむくままに行動している。
パリに出てきたのも、退屈で貧乏な田舎暮らしから抜け出したかったことがそもそものきっかけ。
帽子屋を開いたのは、何か仕事をしようという偶然の気まぐれからでした。
計画性のない直感で始めたというところが本当に、獅子座の火とインスピレーションの魚の月らしいと思わざるをえない。
きっかけは偶然でしたが、働くこと、自分で自分のお金を稼ぐことに執着したシャネルはそれ以後、まったく休むことなく猛烈に働き続けるのでした。

最後に本当に獅子座らしい、シャネルの言葉を。
「もしあたしが利口だったら、あたしは成功しなかったろう。無理解、人の言うことをきかない、頑固があたしの成功の基本になった。」
シャネルのホロスコープはとても強く、ドラマチックです。

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